7月第4週の市況

2025/7/21    月 

フィナンシャルタイムズが、米政府がEU圏に対して15-20%の最低関税を適用する意向であることを報じたが、米国株式市場はほぼ横ばいの1日となった。ミシガン大消費者信頼感指数は将来の価格上昇に懸念を残しているものの、指数は上昇した。3Mは下半期の関税の影響はほぼ変わらないとコメントしたが、株価は下落。Charles SchwabやRegions Financialなどの金融関連が堅調な利益に支えられて株価上昇。欧州市場ではヘルスケア関連が値を下げたが、石油・ガス関連が値を上げ、市場全体としては横ばいであった。スウェーデンの鉱業機器関連Epirocは、四半期の利益が予想を下回り、株価は9.2%下落。スウェーデンの産業グループAtlas Copcoも注文下減少し利益が予想を下回り、株価は7.8%下落。英国の製薬会社GSKについては、米国のFDAが血液がん製薬の推薦に反対を表明し、同社の株価は4.6%下落

2025/7/22    火

米国市場では、水曜日にAlphabetが決算発表するのを前に、同株が2.8%上昇。同じく、水曜日に決算を公表するTeslaは下落。いわゆる”マグニフィセント・セブン”では、そのほかAppleやAmazonも値を上げ、SP500とNASDAQは史上最高値を更新。ダウはわずかに値を下げた。Verizonは年間の利益予想を上方修正し、株価は4%上昇。ハワード米商務長官はEUとの関税問題の収束に自信を示した。9月の利下げについて、市場では五分五分とみている。欧州市場では、方向性のない市場となったが、鉱業関連の値上がりを、ヘルスケア関連の下落が打ち消し、市場全体としては値を下げた。自動車メーカーのStellantisは米国の関税政策の影響を受け、上半期に23億ユーロの損失を計上したと公表したが、株価は値上がり。四半期利益がほぼ倍増したRyanairは株価が5.7%上昇。LufthansaやEasyJetなどの競合会社も1%ほど値を上げる。中国の安定的な成長を受けて金属価格が値上がりし、Glencore、 Anglo American、Antofagastaなどの鉱業関連は3~5%の株価上昇

2025/7/23    水

米国市場では、GMが四半期決算を公表し、SUVやトラックの需要が旺盛で予想を超える利益を上げたものの、関税問題で10億ドルの影響を受けたことを公表し、同株は7.8%値を下げた。競合のフォードも値下がり。Tesla、Alphabetと水曜日に決算を控える株式は上昇したが、Meta Platforms、マイクロソフトなどは値下がり。四半期利益が約8割減少したLockheed Martinは10%以上値を下げた。SP500とダウはわずかに値を上げ、NASDAQは値を下げるなど市場はまちまちであった。欧州市場では、ドイツの株式指数DAXがここ2か月で最大の下げとなり、1%以上値を下げるなど、軟調な市場になった。フランスのバイオテクノロジー関連のSartorius Stedim Biotechは上半期の決算を公表し、株価は8.1%下落した。スイスの香水関連のGivaudanもスイスフランの値上がりから上半期の売り上げが予想以下となり株価が5.4%値下がりとなった

2025/7/24    木

トランプ政権が日本と関税問題で合意に達し、EUとも同様の条件での合意が間近とみられることや株式市場では個別銘柄の値上がりもあって、SP500とNASDAQは史上最高値を更新。電力機器のGE Vernovaは売り上げ、フリーキャッシュフローの予想を引き上げ株価は14.6%上昇。Nvidiaも株価が2.3%上昇。市場終了後に決算を公表するTeslaはわずかに値を上げ、Alphabetは値を下げた。医療機器のThermo Fisherは、下半期の利益・売上が予想を超え株価は9%以上上昇した。欧州市場では、との米国との関税問題の妥結を予想し、自動車関連が市場をけん引する形で株式市場は上昇。Stellantis, メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、ポルシェといった自動車株は6.1%~7.3%上昇。ドイツのSAPは四半期決算が好調であったが、年間の収益見通しを引き上げず、株価は4.1%値を下げた

2025/7/25    金

米国市場では、Alphabetの四半期決算が堅調で、市場はAI関連の大型株に期待を寄せる結果となった。SP500とNASDAQは史上最高値を更新。Amazon、マイクロソフト、Nvidiaなどの銘柄も上昇。Teslaは補助金の打ち切りのために来年に予定されている自動運転サービスの開始前に、厳しい時期を迎えるとマスクCEOが発言し、同株は約5%値を下げた。司法省の査察を受けていることを公表したUnitedHealthは株価下落。欧州市場では、ECBが予想されていたように金利を維持し、また、大手銀行の好調な決算と米国との関税問題に明るい兆しがあることを好感して、株式市場は上昇。ドイッチェバンクとBNPパリバはともに好調な決算を公表し、ドイッチェバンクは9.1%株価上昇

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7月第3週の市況

2025/7/14    月

米国ではトランプ大統領がカナダからの輸入品に対して35%の関税を課するとコメントし市場は関税問題の不安感を増幅。Metaが値を下げたが、Nvidiaは値上がり。主要3指数はいずれも値を下げたが、ダウが最も値下がり。国防総省がドローンの注文を引き上げたのでドローンメーカーのAeroVironmentとKratos Defense & Security Solutionsは値を上げた。ジーンズメーカーのLevi Strauss & Coは、四半期決算が好調で年間の売上・利益予想を上方修正し株価上昇。欧州市場では銀行とヘルスケアセクターが値を下げ、市場全体も値下がり。地域的には英国のFTSEもドイツのDAXも値下がり。ノルウェー最大手の銀行DNBは利息収入が伸び悩み、貸し付けの損失が大きく、四半期の利益が低下し、株価は8.8%低下。ヘルスケア関連でもデンマークのNovo Nordiskが3.6%値を下げた。BPは予想していた以上の生産となり、株価は3.4%上昇

2025/7/15    火

米国ではトランプ大統領がEUとメキシコからの輸入品の多くに、8月1日から30%の関税を課すると週末にコメントしたが、株式市場では主要3指数ともにわずかに上昇。個別企業では四半期決算を火曜日に控えるNetflixが1.3%値を上げたほか、最新作のスーパーマンが好調のWarner Bros. Discoveryが2.4%株価上昇。暗号資産関連も好調で、Bitcoinが初めて12万ドルを超えたほか、CoinbaseやMicroStrategyも値を上げた。Becton Dickinson and Coとの合併が決まった研究機器メーカーのWaters Corpは13.8%株価下落。欧州市場では、わずかに株式は値を下げたが、関税問題に感応度の高い自動車関連は値を下げた。英国の株式指数FTSEは上昇し、史上最高値を更新。英国の製薬会社AstraZenecaは研究中の降圧剤の成果が良好で株価が2%上昇。BMW,フォルクスワーゲン、メルセデスベンツなどは2%前後株価下落。米国に輸出の多い酒造会社、Pernod RicardやPernod Ricardも1.2%と3.4%それぞれ値下がり

2025/7/16    水

米国市場では、NASDAQが史上最高値を更新したが、ダウとSP500は値を下げた。Nvidiaは中国への半導体輸出を再開させる計画を公表し株価は4%上昇。ライバルのAdvanced Micro DevicesやSuper Micro Computerも大きく株価上昇。金融関連ではJPMorgan Chaseが年間の見通しを引き上げたにもかかわらず株価は下落。ウェルズファーゴは積立金を取り崩して利益を上げたが株価は5.5%下落。BlackRockはAUMは幾分増加したが、株価は5.9%下落。欧州市場ではヘルスケアと金融関連が下落して、市場全体も値下がり。特に、スペインの市場が1.1%と大きく値を下げた。7月のドイツの景況感指数であるZEW指数は予想よりも良い数値であった。銀行関連では、コメルツバンク、Banco BPM、ソシエテジェネラルなどが2%以上の株価下落。スウェーデンのテレコム機器メーカーEricssonは予想を超える利益を計上したが、関税関連への懸念を表明し、株価は7.7%下落

2025/7/17    木

米国ではブルームバーグがトランプ大統領がパウエルFRB議長の解任に動くと報じ、市場では、株安、ドル安、イールド高の状況になった。その後、ホワイトハウスがパウエル議長を解任する計画はないと火消しにかかり、結局、株式市場は値を上げて終了した。NASDAQは史上最高値を更新。VIX指数もブルームバーグのレポートが出たときには上昇したが、その後は、低下した。ゴールドマンサックスは利益が22%上昇したが、株価はわずかに上がっただけであった。同じように利益が上がったバンクオブアメリカとモルガンスタンレーは株価が低下した。欧州市場ではASMLが米国の関税の不透明さに起因して2026年の業績目標を達成できないとコメント。同株は11.4%値を下げた。欧州市場全体でも値下がり。ASMLと同業のBE Semiconductor、ASMI STMicroelectronicsも2.1%ないし5.2%の株安になった。ルノーは6月の販売が予想以下となり、通年の利益率も予想を下回ると公表し、株価は18%下落

2025/7/18    金

米国では6月の個人消費が予想以上に伸びていて、Fedが利下げを見送る可能性が出てきた。株式市場は、SP500とNASDAQがともに史上最高値を更新。NASDAQは6日連続の上昇となった。PepsiCoは米国やEUといった主要市場での売り上げが堅調で四半期決算が予想を上回り株価は6%値上がり。ユナイテッド航空は、過去3週間の予約状況が堅調であったことを公表し、通年の利益見通しを上方修正し、株価は3.1%上昇した。ライバルの、デルタ航空、アメリカン航空、アラスカエアラインズも株価上昇。また、AI関連ではTSMCが第2四半期の業績を公表し、AI半導体に対する需要が旺盛であることを公表したことで、TSMCの米国預託株やMarvell、Nvidiaなども値上がり。欧州市場では4日ぶりに株式市場は上昇。エンジニアリング企業のABBは四半期の受注が過去最高となり株価は約10%上昇した。フランスの電力インフラのLegrand北米での事業が好調で株価が9%上昇し、ライバルのSchneider Electricも株価が7.7%上昇

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