10月第4週の市況

2025/10/20    月

米国ではトランプ大統領が、中国製品への課税強化は恒久的なものではないと発言する一方で、レアメタル輸出を背景にした交渉を非難。株式市場では前日懸念が噴出した地方銀行の決算が堅調で市場は値を上げた。第3四半期の決算が堅調であったTruist Financialが3.7%値を上げたほか、Fifth Third BancorpやZionsなどの地銀株も値を上げた。トランプ大統領が減量薬の薬価引き下げを主張したことからEli Lilly株は2%値下がり。欧州市場では前日明らかになった米国の地方銀行の信用リスクへの懸念から、投資家は安全資産に避難させる動きを見せ、株式市場は1%ほど値を下げた。Deutsche Bank、Barclays、Unicredit、BNP Paribasといった主要行が3%以上の株価下落。Ray-Banを製造しているEssilorLuxotticaはAIメガネの販売が好調で、株価が13.8%上昇。LVMHなども値を上げ、高級品株の値上がりが市場の下落を緩和した。Continental AGは第3四半期の販売が予想通りとなり株価は11.3%上昇

2025/10/21    火

米国市場では、金融やテクノロジー株を中心に値を上げた。小型株中心のRussell2000がより大きく値上がり。個別銘柄ではアップルが史上最高値を更新したほか、Meta、Netflix、Alphabetなどが1.3%ないし3.3%値を上げた。フィラデルフィア半導体指数は1.6%の上昇。ホワイトハウスの経済アドバイザーのハセット氏は連邦政府の閉鎖が今週終了すると見通しを示した。ボーイングは連邦政府から737MAXの月間42機の生産の了承を得たとして株価は1.8%上昇。英国市場ではBabcockやRolls-Royceといった航空・防衛関連がけん引し市場は上昇。また、金価格の上昇に伴って鉱業株も値を上げた

2025/10/22    水

米国市場はまちまちで、ダウは値上がりし、NASDAQは値下がり、SP500はほぼ横ばいであった。GMは関税の影響を抑え予想を引き上げたことから株価は14%値上がり。 Lockheed Martin、 Northrop Grummanなどの防衛関連株も兵器の需要が堅調なことから株価上昇。Netflixは予想していた四半期業績が予想を下回り5.8%株価下落。英国市場では、HSBCがNatwestの役員であったLindberg氏を英国部門のCEOに任命したことによりHSBC株が1.8%の上昇となり、銀行部門全体も1.2%の上昇となった。市場全体でもFTSEは値上がり。欧州市場では、開運関係株が供給増によりが輸送費の値下がりし、デンマークのMaerskは2.9%株価下落。株式市場全体も値上がり

2025/10/23    木

米国市場はNetflixの業績が思わしくなく株価が10%以上下げたことや、トランプ政権が中国のレアアース輸出への制限に対抗してソフトウェアの輸出を控えることを検討していると報じられ、市場全体で値を下げた。テクノロジーやコミュニケーションサービスといったセクターで値下がり。テキサスインスツルメンツは売上・利益ともに予想以下の四半期となり株価は5.6%値下がり。Teslaは予想以上の売り上げを計上したが、時間外取引で株価は下落。欧州市場では、AI関連の電力需要の高まりに期待して公益株が値を上げたが、四半期利益が予想を上回ったドイツのSAPは株価下落。フランスのL’Orealは四半期決算が予想を下回り株価は7%下落。欧州市場全体でも値下がり

2025/10/24    金

米国ではトランプ大統領がアジア訪問の際に、中国の習近平主席と会談することがわかり、株式市場は値を上げた。前日市場外取引で値を下げたTeslaは2.3%リバウンド。IBMはクラウド関連での減速を公表し株価は0.9%下落。保険会社のMolina Healthcareは年間の利益様相を下方修正し、株価は17.5%下落。米国がウクライナ関連の制裁としてロシアの石油会社RosneftとLukoilに制裁を科したことから原油価格が5%上昇。BPやShellは3%株価が上昇。英国のFTSEは史上最高値を更新。欧州市場全体の指数も史上最高値を更新。Keringは四半期決算を公表し売り上げの減少幅が予想以下であったことから株価は8.7%上昇。フランスの食品関連Sodexoは2026年の成長が鈍化する予想を公表し、また、四半期決算が予想を下回ったスウェーデンのインターネット関連Evolutionはいずれも7%株価下落

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10月第3週の市況

2025/10/13    月 

米国のトランプ大統領が再び対中国の関税引き上げを持ち出したことを懸念して、欧米市場で株式市場は大きく値を下げた。米国では主要3指数はいずれも大きく値を下げ、特に、NASDAQは3.56%と大きく値下がり。フィラデルフィア半導体指数は6.3%値下がり。また、市場のリスクを表すボラティリティ指数も6月以来の高水準に上昇した。米国上場の中国株であるAlibaba Group Holding、JD.com Inc、PDD Holdingsは5.3%ないし8.5%下落。Qualcommは、中国当局がイスラエルのAutotalksを買収した件で査察に入ると公表し、株価は7.3%下落した。欧州市場もトランプ大統領の発言に対して反応し値を下げた。そのほか、原油やドルも値下がり。イールドも下落。BPやShellといった石油メジャーも3%近く株価下落

2025/10/14    火 

米国では別撰と財務長官がFOXニュースとのインタビューで、トランプ大統領が予定通り韓国で習近平主席と会合するとコメントし、市場は好感。BroadcomはOpenAI向けの半導体の製造を開始したことを公表し、10%近く株価上昇。株式指数は主要3指数ともに値を上げた。Oracleはブローカーの評価が上昇し5%以上株価上昇。欧州ではフランスの少数与党による内閣が不信任投票になる可能性があり政治的な不安定さが残る中、米国のトランプ大統領の対中関税の引き上げのトーンダウンが影響し、欧州株式市場は値上がり。原油価格は下落したが、金価格は1オンス当たり4100ドルを突破し、Fresnillo、Endeavourといった鉱業関連は10%前後値を上げた。Anglo American、Glencore、Rio Tintoといった鉱業関連も2~4%値上がり

2025/10/15    水

米国市場では、大手銀行の決算が堅調であったこと、パウエルFRB議長が講演で経済は全体的に予想していたより堅調に推移していると発言したことなどを受け、SP500とNASDAQは値を下げたが、ダウは値上がり。ウェルズ・ファーゴはここ半年で最も株価が上昇し、シティグループも四半期業績は予想を上回った。JPMorgan Chaseは通期の利息収入の見通しを上方修正した。欧州市場では米中の関税問題の再燃が引きずり、また、個別企業ではミシュラン株が大きく値を下げたこともあり、市場全体も軟化。債券のイールドはここ1か月で最低の水準になった。フランスのLVMHは第3四半期の販売が予想を超えたが、株価は値下がり。フランスのタイヤメーカーミシュランは通年の見通しを下方修正し、株価は8.9%値下がり。自動車関連のContinentalや Pirelliも株価下落。スウェーデンの Ericssonは四半期決算が予想以上になり株価は18%上昇

2025/10/16    木

米国市場では、ダウは値を下げたが、SP500とNASDAQは上昇。モルガンスタンレーの四半期決算が堅調で史上最高値を更新したほか、バンクオブアメリカも予想以上の利益となり株価上昇。Goldman SachsやJPMorgan Chaseも投資銀行部門で堅調な利益を計上したが、必ずしも株価上昇には至っていない。AI関連ではASMLが予想を超える受注・利益を計上しフィラデルフィア半導体指数も上昇。ヘルスケア関連のAbbott Laboratoriesは医療機器部門からの売り上げが予想以下となり、株価下落。英国市場では木曜日のGDP統計公表の前に株式市場は軟化。IMFはイングランド銀行のさらなる利下げに対して警鐘を鳴らした

2025/10/17    金

米国市場では地方銀行の株価が低迷し、市場全体もいずれも値下がり。地方銀行のZions Bancorporationは、カリフォルニアでの予想しないローンの損失があり、株価は13%下落。Western Allianceは貸し付け者に対する欺瞞の訴訟が開始されたことで株価は10.8%下落した。TSMCは第3四半期の利益が40%弱増加したことと強気のAI関連半導体の消費見込みを公表した。PalantirやMeta PlatormsなどのAI関連も値上がり。Salesforceは通年の売り上げ見通しが予想以上となり、株価が4%上昇。英国市場では様々な企業業績が公表され、翌週のインフレ統計の公表に警戒感を残しながら、大型株中心のFTSEは値を上げたが、中型株中心のFTSE250は値下がり。欧州市場全体でも値を下げた。スペインの銀行BBVAがSabadellに仕掛けた敵対的買収は25.4%の株式取得に終わり、少なくとも30%の取得を目指した買収は失敗に終わった。失敗直後、BBVAの米国上場株は7%近く株価上昇

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